アングル2:地位タイプのケーススタディ

jyosei-tensyoku

斎藤永子さんは、大学を卒業後、大手情報出版会社の系列広告代理店のアルバイトとして就職しました。

広告営業部門に配属され、営業ウーマンとして日々スポンサー訪問を積み重ね、着々と力を付けていきました。

給与や待遇などは男女差別の全くない会社でしたが、この営業部門の上司が、いわゆる古い硬派のタイプの男性で、古くからの男は家長的な考え方の持ち主だったのです。

コツコツと一つ一つの仕事の質を大切に、いい仕事をしている彼女に係長クラスの業務内容をさせていながら、係長に昇進させることはありませんでした。

こんな時、彼女に一つの光が差し込んできました。営業企画書の勉強会の席上で、グループ全体の営業マンの力量向上を推進している講師から、「あなたの企画書は、なかなか良い着眼点で高い説得力を持っていますね。ぜひグループ全体で実施している活動レポート賞に出品しなさい」といわれたのです。

そこで彼女は出品し、受賞には至らなかったものの佳作の一人に入ることができたのです。佳作となったということで、彼女はある程度の力量を持つ人として、以前より注目され始めましたが、職場での役割に変化はありませんでした。しかしこのことが彼女を勇気づけ、一社一社のスポンサーを大切にし、着実に目標達成を続けるようになりました。

そんな頃、会社の経営が苦しくなり、グループ企業の統廃合が行われることになりました。

今までの上司は退社することになり、その上司は彼女に「君にはすまなかった。僕はどうしても女性を僕のナンバー2にする気になれなかった」といったそうです。

彼女は新会社に移り、そこで男女差別観を持たない上司に巡り会います。地道な営業努力によって着実な成果を上げていた彼女は、新会社で大いに評価されるようになりました。

彼女のモットーは「どんなことがあってもお客さまをバカにしない」ということ。営業ウーマンであっても、あまりにもわがままなお客さまに出会うと、どうしてもバカにしたくなってしまうもの。そしてその気持ちは必ず仕事にあらわれ、お客さまをシラケさせることになってしまうものです。

こうした彼女の心がけと様々な実績によってついに彼女はそれまでの意欲的な挑戦が認められて、係長になり、そして課長に昇進したのです。

結婚した彼女は、子供が生まれても女性が社会で役に立つことを証明できる人間になりたいといいます。そのために、いつ妊娠しても、営業目標達成をしてから産休に入れるように覚悟を決めて、計画的に仕事をすすめているそうです。

彼女は自分の体験から、頑張っていても女性だからということで認められない女性たちに勇気を与える自分になりたいと、さらに広がったフィールドで、意欲的に活動しています。

このケースは女性の昇進にとって、上司との組み合わせが非常に重要だということを示しています。転職の際には、女性である自分を男性と平等に評価し、育てようとする企業かどうかよく観察する必要があるでしょう。

できれば上司になる予定の人と話して相性を確かめておくとよいでしょう。また、どんなことがあっても自分をくさらせない、「自分を元気づけていく心がけ」が必要なことも示しています。