アングル3:安定タイプのケーススタディ

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上村ひろ美さんは、大学在学中に、貸ビル業を営んでいた父親の病気入院という事件が起こりました。

そこで家業であった不動産賃貸業の仕事を手伝うようになり、卒業後も一般的な就職はせず、そのまま仕事を続けることにしました。

その間、お茶を習い、料理の専門学校に通うとともに、経理の勉強もし、簿記二級も取得しました。

二五歳の頃、父親の病気がやっと回復したため、自分らしい仕事を持ちたいと考えるようになりました。そこで、子供の頃から好きだった絵画に関係した仕事をしたいと考え、アルバイトで美術館学芸員のアシスタントをしたのです。

一年たった頃、そろそろ本格的に打ち込める仕事をしたいと考えるようになり、求人情報誌や新聞の求人広告で仕事探しを始めました。

彼女は、まずアルバイトの経験が活かせる絵画販売の仕事に興味を持ち、大手総合商社系の画廊や銀座の有名画廊の求人に応募しました。

彼女は、大きなお金が動くビジネスという視点で取り組みたいと思ったのですが、画廊の側では、ビジネス感覚よりも芸術的感覚を求める傾向かあり、考え方のズレを感じました。

彼女は、ビジネスについてとても着実な考え方をする人だったのです。そこで父の仕事を手伝ってきた経験もあり、一人娘で、父の仕事を将来継ぐであろうことも考え、大手不動産会社の求人広告に応募し、営業職として採用されたのです。

生まれて初めて、大きな企業組織の一員として働くので、果たしてやっていけるのだろうかという大きな不安があったとのこと。

しかし、その職場は、仲間とともに目標を持ち、互いに刺激を受けながら働くという活気ある職場で、上司にもめぐまれ、彼女は「世界が変わった」と思うほどに慟くことのおもしろさを感じるようになったのです。

この職場では、全員が宅地建物取引主任者資格(宅建)を取得していこうという空気があり、そのための勉強の機会も用意されていました。そこでごく自然に彼女も挑戦し、資格を取得することができたのです。

女性にとって資格は、社会的信用をつくる上で大いにプラスになります。高額の商品を扱う不動産営業という仕事ですから、宅建資格を持っていることで、「お客様にも安心していただけるようになった」とのこと。資格取得に対して、手当も支給されるようになったそうです。

現在彼女は、首都圏の何億という高額の不動産を堂々と紹介し、購入のお手伝いをするプロとして活躍しています。収入面でも固定給に歩合給がプラスされ、一般的なOLの約二倍の収入を得ています。

彼女の営業スタイルは、実に着実で節度があります。こうした女性の不動産営業職が増えていけば、不動産業界のイメージ向上にもつながると思えます。

アメリカでは不動産営業をする人に女性が少なくありません。営業職は、売り上げ金額で評価されるので、男女差別なく評価されやすい仕事で、年齢や経験が活かせる仕事でもあります。

また視野も広がりへ金融知識・法律知識・財産管理の知識も付く仕事ですから、これからの時代の女性に向いている仕事といえるでしょう。

上村さんの仕事選びは、自分の個性や周囲の状況を見きわめながら実に着実に行われています。しかも、利用価値のある資格も得て人生の安定度を高めていった例といえるでしょう。

昨今は、一人娘・一人息子の多い時代ですから、女性であっても両親の老後を見る人も少なくありません。

生活基盤が安定する働き方について研究することをおすすめします。