アングル4:環境タイプのケーススタディ

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山根町子さんは、関西の女子高校から短大に進み、情報処理や秘書学を学ぶ人間関係コースを選択しました。人に接することが大好きな明るい彼女は就職もスンナリと決めて、関西の中堅証券会社に入社しました。入社してからはカウンター営業の仕事を担当し、活気のある職場で、多くのお客様に接し、残業もいとわず一生懸命働きました。気さくで心配りのある彼女に親しみを持つお客様が増え、「親戚の息子の嫁に」などという話をもらうなど、お客様の頼りになる存在になっていったのです。

仕事にある程度自信がついてきた24歳の頃、会社の営業方針に沿って商品を販売していても、株が上がらずお客様に損させることが少なくないことに気づき、悩みました。「自分を信用して買ってくださるのに申し訳ない」そんな気持ちでいっぱいになってしまったのです。株というのは本来上がったり下がったりするのを承知の上で買うものですが、自分が信用されはじめたことによって責任を感じ、つらくなってしまったのです。

ビジネスと割り切って淡々と働く仲間もいましたが、責任感が強く人の気持ちに敏感な彼女は、自分にこの仕事は向かないと感じたのです。

彼女がもう一度自分を見つめ直してみたいと考えていた頃、カナダに留学して帰ってきた友人に会いました。カナダで学んだことや現地の話を聞くうち、自分にもカナダに知人がいることを思い出し、「カナダに行こう」と決意したのです。

親元で暮らしていた彼女が、父母にその決意を話すと、ご両親は大変ビックリして不安でいっぱいになり、当初は引き止めたそうですが、彼女の決意が固いので、ご両親もついに折れ、温かく送り出してくれたそうです。

カナダに行った彼女は、カナダののびのびとした自然環境や暮らしの中で「環境」と「人の心」との密接な関係をつくづく感じたそうです。一年間の滞在で英語スクールにも通い、英語のヒアリングもできるようになって日本に帰国したのです。帰国した彼女は、再び仕事に就くため就職活動に入りました。しかし彼女が最初に就職した頃とは違い、女性の採用が極端に少なくなり、勤務地や待遇など、彼女の望む条件に合った企業はなかなか見つかりませんでした。

そんな頃、いろんな可能性を考えて登録しておいた派遣会社から連絡が入ったのです。

派遣の場合、自分の望む勤務地や業種などの様々な条件を派遣会社に伝えると、それに合致した仕事が紹介され、納得した上で選べます。つまり、派遣社員は働く環境が自分で選べるため、環境を大切に考える彼女にはピッタリだったのです。

29歳になった彼女は、派遣の仕事を始めて4年になります。今行っている会社は2社目で、2社とも30分以内で通える会社を選んだそうです。28歳で結婚した後は、住まいが変わったため、通勤に一時間以上かかるようになったのですが、派遣先の人とも仲良くなり、派遣先の雰囲気がとても良いので継続して勤務しているそうです。派遣の仕事の良さについて、彼女はこんなことも語ってくれました。

「今のOA機器はどんどん進歩するので、最初に勤めていた証券会社で使っていた機種やソフトはどんどん古くなり、新しく変ってきているんですが、派遣会社のほうで、最新のOAに関する研修をしてもらえるので、自然に最新のOA活用の力が身に付くんです」。一度仕事を中断するとOA機器の変化など、また復帰できるかどうかが不安なこともあるようですが、彼女の入った派遣会社の教育研修はかなり心強いものがあるようです。

また「半年くらい安定的に継続すると、各種社会保険に加入することもできるし、福利厚生もあるので、安心」とのこと。

結婚している彼女は、子供ができれば、子育ての一時期仕事を中断する予定ですが、子育てが終わったら、また働きたいそうです。そんな時も、派遣なら自分に合った仕事が選べるし、安定的に4年間仕事をしてきたことで派遣会社の信用もついていますから、おそらくまたスムーズに自分の条件に合った仕事に就くことができると思われます。

彼女のように、自分の気持ちを大切にし、働く環境を重視する人にとって、派遣の仕事はぴったりといえそうです。

今の仕事は、残業もあまりないので、ご主人の帰宅までにお料理をつくることもできるそうです。彼女は、快適に、仕事と家庭を両立できているのです。

このように環境を重視する人は、望ましい自分の生き方・ライフスタイルを想定した上で働く場を選ぶことが大切です。派遣のほか、U・Iターンや海外での仕事を探すのもよいと思います。